スポーツスターがいいな~と思ったとき、ほぼ同じ形ど同じ重量、同じ取り回しの883と1200が選択肢に入ります。スポーツスターに乗っていいる人は、一度はこの選択肢を通ったと思います。
スポ乗りの永遠の課題(笑)です。私は883を選びましたが、実際のところどちらがお勧めかと聞かれたら?
883 ou 1200?
世間の声は・・
諸説ありますね。
スピードやトルクを求めるなら1200
待ち乗りでもギアやトルクを使いきれて楽しい883
ゆっくり、のんびり流したい、ハーレーを使いこなしたい!と言う人にはお勧めらしいです。
かつて乗っていたSRX-6。600CCでしたが400CCバージョンのSRX-4と言うのもありました。どちらも同じ形、同じ寸法で、ほぼ同じ重量。一度、知り合いから借りて4のほうも乗りましたがまったく別物でした。
そんな感じで、1200と883は別物とも考えられます。どちらが好みか、と言う事でしょう。
優劣は無いと思います。うどんとパスタ、どっちが優れてる?・・そんなものに優劣などありません。自分の好き嫌いですね。
実際のところ、アメリカの税法で900㏄以上が税金が高いから1200と883があるらしいのですが。
諸元比較
ハーレーを数値で比較検討するのは、馬鹿げている部分もありますが少し見てみましょう
独断と偏見で、見た目似ている883と1200、アイアン883とを比較してみます。
フォーティーエイト アイアン883
全長 2165 2185
重量 252kg 256kg
最大トルク 96Nm/3500pm 68Nm/4750pm
燃費 20.4km/L 21.7km/L
新車価格 151万9000円 126万9000円
ざくっと、結論は重量は同じ、パワーは1200のほうが当然大きい。
もう少し細かくみると1200のほうが低速でトルクの山がある。つまり、より低回転で、つまりドコドコ回転でスピードが出る。より高速クルーズが楽と言う事ですね。
こうして見ると、燃費があまり変わらないのに驚きます。
私の結論
もし、知り合いに「どっち?」と聞かれたら1200を勧めるでしょう。
大は小を兼ねる!です。
しかし、私個人は両方の試乗を繰り返した末、883を選びました。
私の時代には、大型バイク、イコールナナハン。900㏄なんかはモンスター、のイメージ。1200㏄のハーレーは巨大戦艦の世界。それはそれで、ある種の憧れではあるが、例えば法律やお金で許されたとして、自家用車にタイガー戦車を買うか?的な違和感が・・・
そんなわけで、まったく極個人的感性として、リッターという壁を越えることに異常な違和感があったのです。ミドル好きな私としては1000㏄をこえるバイクにはなんともいえぬ抵抗感、拒否感があったのです。
・・・サイズ、重量が同じなのにおかしいですね。
ただ、私のバイクの好み、履歴から考えると自然な気もします。
長年SRX-6を乗ってきました。3代乗り継ぎました。免許的に大型ながら小さいこのバイクがとても気に入ってました。今でも製造中なら4年前にハーレー883Rを買ったときの最大の選択肢ライバルになったでしょう。
こんな私ですから、カタログデータや最大速度にはあまり興味はありません。レーサーレプリカ全盛期でもその手のはちょっと借りて乗るのは楽しいのですが所有したいとは思いませんでした。
こうなると、私の体が1200より883により馴染むのかが分かります。
新しい世界へ一歩踏み出すべきかも知れないんですけどねえ。
また、883といえば、55キュービックインチ。
かつて軽量スポーツなイギリス車がアメリカで売れ行きを伸ばしたときハーレー社がディーラのニーズに答え、オフロード車や軍用車として活躍したWLの45キュービックインチ、ベビーツインエンジンを拡大して55キュービックインチにして、スポーティーなモデルKを開発したと聞きます。
モデルKはスポーツスターの直系のご祖先。
その、伝統と歴史に輝く55ci→883㏄。
そこには、そこはかとないロマンも感じるわけです。
かつて月に行った時計、オメガのスピードマスターにロマンを感じるように。
男はストーリー好きですからね(笑)
個人的な思いとして、かつて20年以上付き合ったSRX6。もしキックオンリーの現行車があれば、性懲りも無くまた買ったかもしれません。4代目になるところです。
SRXの600㏄という排気量には、ほんのかすかに高速道路では不足感がありました。SRX800があれば、即買いの気分です。今も。
同時期に試乗したモトグッチのストーン、750㏄の力の無さ加減にも強く惹かれました(笑)
縦置きVツイン、アクセルを吹かすとぶるっと横に振られるのも楽しい。
もちろん、スタイリングも絶品でした。
・・・その気分の中で鼓動感あふれる883㏄は魅力的でした。ですから、ヤマハのボルトにも後ろ髪を惹かれました。
そんな、複雑(笑)な思いもあって、私は883に決めたのです。
乗車感、ロマン、思い出、想い・・・色んな要素で決めました。
それは、それぞれの人生が違うように同じ感性の人はいないでしょう。
大型バイクは趣味のものです。実用の道具ではありません。ようは各個人の思いに沿うバイクを選べばいいのです。
故障ばかりの鈍足バイクでも本人が幸せなら、それでよし!
釣師に「魚が欲しければ魚屋に行けば?そんな高級な道具にお金かけるなら、最高級な魚が、はるかに安く買えるよ!」と言う無意味と同じです。
実用性・・と言えば、883は買い物バイクとしても活用しています。
かつては原付バイクを使っていましたがいまはバイクは883のみ。近所のスーパーでも買い物にも乗ります。
そんなご近所走りでも楽しいプチツーリングとして楽しめるのが883と言う絶妙な排気量だと思います。速度の乗せようの無いご近所でもストレス無く、我慢を感じず走れるからです。1200あるとそんな使い方ではトップギアまで入れることは無く我慢感をぬぐいきれないと思います。
そのような日常からもバイクの楽しみを味わう。ゆったりと流す、を楽しいと感じられるなら1200より、883のほうがより楽しみを味わえると思います。
そう、乗って楽しい、好きになれると言う観点ではバイク自身の良し悪しより、それを乗る人がどんな好みの持ち主で、どんな事に使うか、がポイントでしょうか。
そう考えるとき、私の履歴や好みに共通のものがあったり、共感していただける方なら
一般論としての1200推薦ではなく、883がお勧めです。
少数派とは思います。私に共感しない方は1200へどうぞ・・。とはいえ、実は私自身も、1200への未練は未だに消せません(笑)
まとめ
ネットニュースなどを見ると、最近はミドルバイクの人気が高まっているともいいます。
ネオクラッシックや中排気量ブームだというのです。
スポは生けるクラッシックです。しかも中?排気量・・・つまり883は最新トレンド??
そして、私自身は883には大変満足して、まだその魅力を味わってる最中!
お皿にはまだまだ温かい食べ残しが一杯残ってます。
とはいえ、1200にも未練たっぷりです。ビッグツインにも魅力を感じつつ、次に乗り換える候補は1200でもあります。
気負わず乗れるゆるいハーレー、それが883。それゆえ、頑張っているバイク乗りからは遅いとか言われ、気合の入ったハーレー乗りからも軽く見られがち・・・らしいですが。
さてさて、883を食べ終わるのはいつかな~。予算的にも時間がかかるのはありがたいけど。